どうも!トリスです。
僕は若いときから喫茶店やホテルのウェイター、カフェ店員など飲食業で10年以上働いてきました。
コーヒーチェーン店で店長として働いたこともあります。
給料が安い、拘束時間が長い、休みが少ない。
外から見れば良いことなしと思われる業界ですが、僕は基本的に飲食業界が好きでした。
さすがに40代や50代になって接客をするのは辛いものがありますが。
20代~30代からでも店舗指導等、マネジメントで活躍できるポジションも飲食店にはあります。
いまの時代は、飲食業界全体がブラック企業だと思われて、不人気な職業になっていますが、良いところもたくさんあるんです。
飲食業から離れて10年近くなりましたが、元飲食店店長の僕がいままでの飲食店での経験を思い出しながら、良い面を語っていきたいと思います。
目次
お店の始まりから終わりにはドラマがある。

20代前半で働いていたのは当時では珍しいカフェでした。
イームズやジョージネルソンなどに代表されるミッドセンチュリーの家具を多く揃えたカフェで、毎日その空間で働けることに楽しみを覚えたものでした。
朝早くからモーニングの準備をしながら、好きなボサノバやソウル、ジャズなどの曲を聞きながら働いていました。
毎週楽しみに来られる家族連れ、一人でゆったりした時間を楽しむ人、恋人同士の会話、女性同士のおしゃべり、毎日来るおばあちゃん。
ひとつの小さなお店でもいろいろな人がいろいろな思いを持って来店する。
お店は来店されるお客さんによって育てられ成長していくような感じです。
一日一日まるで生きもののようにお店は変化していくのです。
お店の片付けがすべて終わったあとの誰もいなくなった静かな空間。
一日の達成感は、なにごとにも代えられない良い思い出にもなっています。
オープンの慌ただしい空気、ピークの忙しくも盛り上がる風景、クローズに近づく静寂な時間。
この毎日繰り返されるルーティンが、長い一日を振り返ると、いろんなドラマがあり、とても大きな充実感が得られたのです。
お客さんの「ありがとう」は魔法の言葉。

お客さんに「ありがとう!」って言ってもらえる一言。
感謝されたときは自分の存在意義が認められたような気がしてやっぱり嬉しかったですね。
外国人のお客さんにも接客したことがあったんですが、僕のサービスを「最高のパフォーマンスだ」と喜んでくれたこともありました。
サービスや心っていうのは通じるもんだと学生時代のアルバイトではじめて気づきました。
もちろん英語なんて話せないから、人を思いやるちょっとした行動だけで伝わるものです。
接客業というのは面白いもので、良い接客をすると良い反応が得られ、いいかげんな接客をすると同じような反応が返ってきます。
まるで自分を映す鏡のような世界が飲食業にはあるのです。
お客さんに喜んでもらえるように、楽しんでもらえるように最大限を尽くすことは、たくさんの「ありがとう」もらえ、明日への活力や元気につながります。
長時間立ちっぱなし、動きっぱなしの疲れた飲食店の従業員にとって、「ありがとう」の一言は疲れを吹き飛ばしてくれる魔法の言葉でした。
自分が主役になった気分で働ける。

好きな音楽が流れ、好きな空間で、自分が主役になったような気持ちで働く。
男性は格好良く、女性は可愛く働ける仕事をすれば良いよとアルバイトの人たちによく言ってました。
お店に来てもらうためには、やっぱりサービスをする人自ら楽しいと思うことが大切だとも思っていました。
もちろん仕事だから楽しいことばかりではないけれど、それでも自分が主役になってお店のストーリーを作りあげるような毎日を想像して働けば楽しくなります。
苦しいときでも、笑顔が自然に出るようになれば、プロとして存在することに喜びを感じることもできるのです。
接客やサービスを行う主役を卒業すると今度はお客さんを楽しませるお店を作り上げるマネジメントの経験ができます。
お客さんを喜ばせる演出家になった気分で店長として働いたことも楽しかった。
仲間との強い絆が産まれることもあるよ。

飲食店はまさにチームプレーです。
お互いの個性の組み合わせがお店の良い雰囲気、空間を作り出します。
とんでもない忙しい時間を同じ空間で、いっしょに汗を流し、乗り越えることで強いキズナのようなものが生まれることがあります。
辛いこと、楽しいこと、悲しいこと、嬉しいこと。
いろんな感情がぶつかることも多いですが、そんなことがかえって、かけがえのない集まりになったりします。
出会いや別れが短期間で訪れるのも飲食業の特徴ですね。
お店を辞めて10年以上経ったいまでも飲食店で働いた人たちの交流があったりします。
こんな業界や仕事は、あまりないかもしれませんよ。
飲食店で働くことによってすさんだ心も癒えていった。

若いときはけっこう荒れていました、心がね。
働くことはすべてそうかもしれませんが、お客さんの厳しさや優しさに触れることによって、自分の中のいろんな葛藤が癒されていったのかもしれません。
上手く言えないけど。
つまり社会人としての厳しさを教えてくれた場所であり、自分を大人へと成長させていってくれたのも飲食店だったのです。
小さなお店にもいろんなストーリーがあり、スタッフやお客さん、多種多様な「人」と接することによって、僕自身が一番成長できたのです。
いや成長させてもらったのです。
あとがき

結論的には、僕は飲食を含むサービス業は嫌いではない。
たぶんもう働くことはできないけれど。
この業界で嫌な思いをしてきたことは、人権もなにも考えずお客様第一主義という名のもと、従業員のことをねぎらうのを忘れ、利益優先主義に走ってしまう人や企業たち。
確かに飲食店というのは薄利多売の世界では、より質の高い商品やサービスを提供してお客さんをたくさん呼ばないと全然儲からない世界。
経営する側の気持ちもわからないわけではないけど、人という大事な資産をぞんざいに扱うお店や企業もたくさんある。
工夫すれば、スタッフもお客さんもお店もみんなハッピーになれるやり方はいくらでもあると思う。
これから飲食業界は再編や改革が行われるかわからないけれど、またあの場所へ行ってみたいと思えるようなお店が、今後も増えていってほしいと僕は切に願っています。
本日は以上です。
ちょっとした
コラムみたいでしたね( ̄∇ ̄;)ハッハッハ
それでは、また!
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